フィルムケース砲を撃ってみよう

スパークだから点火も可能

フィルムケース砲 発射

ライターから取り出した圧電素子は点火装置なので、当然ながら物に火をつけることが出来ます。
今回はそれを利用し、可燃物を燃焼させて物を発射してみましょう。
使用するのはフィルムケースで、ふたをアルコールの燃焼によって発射します。

注意!

この実験は可燃物を使い、物を高速で飛ばします。
必ず、周囲に人がおらず、壊れて困る物がない状況で行いましょう。
小さい子は大人の監督の下でしなければいけません。

用意する物

・フィルムケース×1個
・ビニールテープ
・画鋲×2個
・消毒用アルコール

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フィルムケースは、写真のような135フィルムのフジフィルム製ケースを使っています。
フジフィルムが作るフィルムケースは蓋が分厚くて硬いので、発射するときの勢いが最も強くなります。

他のフィルムメーカーでもフィルムケースを作っていますが、フジ以外のメーカーが作るケースは蓋の素材が軟らかすぎる場合があります。
軟らかいと発射時にふたの一部が中途半端にめくれるだけで、上手く発射されません。

作り方

フィルムケース砲 構造

フィルムケースの底面と側面に、絶縁用のビニールテープを貼ります。
必ず、電気を通さないビニールテープにしましょう。

ビニールテープを巻いた上から、画鋲を側面に一つ、底面に一つ刺します。
画鋲の底の部分が触れ合わないようにしつつ、中に突き出た針の先端部分が、1~2mmの間隔があくように、刺す場所を調整しましょう。

発射準備

最初にフィルムケースの中に消毒用アルコールを入れます。
アルコールの度数は50%以上あれば十分です。
量は3~4滴程度にとどめます。
あまり多いと、発射時の熱でケースが溶けたり、やけどをしたりする危険性があります。

ふたをして軽く振り、十秒程度待って、アルコールが揮発して中に充満するのを待ちます。
どんな燃料でも、液体のままでは火花が散っても燃えません。
蒸発して気体になり、空気と混ざることで、初めて火花で発火します。

いざ発射!

撃つときは、片方の手で、側面の画鋲に指が触れるようにして持ちます。
反対の手で、圧電素子の電極を底面部の画鋲に触れさせ、スイッチを入れます。
上手くいけば、内部の針の間を走った稲妻によってアルコールが点火され、膨れ上がった内圧によってふたが飛び出します。

発射の原理

フィルムケース砲の発射

フィルムケースのふたが飛ぶのはアルコールの発火が原因ですが、炎や爆風によって飛び出すわけではありません。
アルコールが燃えることで発生する、水蒸気と二酸化炭素といったガスの圧力によってふたが飛び出します。

液体よりも機体の方が体積が大きいので、ガスが生じると内側の圧力が一気に高まります。
蓋は圧力に耐えきれなくなり、内側から押し出されて吹っ飛んでいくという理屈です。

この原理は、シャンパンの栓を開けるときに、炭酸ガスでコルク栓が飛び出すのとよく似ています。
ガスがアルコールが燃えて生じるのか、シャンパンの中に溶けているのかという点が違いです。

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実は、銃や大砲も火薬の爆発や爆風そのものではなく、火薬の燃焼によって発生するガスの圧力で弾を発射しています。
大元の理屈は、フィルムケース砲も本物の大砲も大して変わらないというわけです。

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