入浴剤ロケットを発射してみよう
空気入れ要らずのペットボトルロケット
ペットボトルロケットの多くは、空気入れを使って空気を送り込むことで中の圧力を高めます。
しかし、水を噴射した反動で飛ぶということは、水が噴き出すような仕組みがあれば、空気入れは必ずしも必要ないということになります。
どんな方法であれ、密閉したボトルの中に気体を発生させ、圧力を高めることが出来ればよいのです。
空気を入れるよりも高い圧力を生じさせられるなら、それだけロケットの飛翔速度・距離も上昇します。
では、空気入れが要らないペットボトルロケットを作ってみましょう。
用意する物
・ペットボトル
・発泡入浴剤
・ゴム栓
・袋オブラート
基本的な材料は、最初のペットボトルロケットの時と同じです。
ロケットもそのままで構いません。
ただし、ゴム栓は空気針を付けていない物の方が良いでしょう。
栓が出来る物なら、コルク栓などでも大丈夫です。
入浴剤は必ず発泡性の物を使います。
お湯に入れるとブクブクと泡が出るタイプです。
泡は炭酸ジュースとの泡と同じ二酸化炭素で、入浴剤の成分に入っているものが水に溶けることで解放され、泡になってわき出す仕組みです。
入浴剤から出てくる二酸化炭素が、空気入れで送り込む空気の代わりとなります。
1.発射前に……
実際に発射を行う前に、少し準備が必要です。
入浴剤は水に入れるとすぐに反応が始まるので、普通に入浴剤を入れると、ロケットをセットする前に栓が抜けてしまいます。
何らかの方法で、入浴剤を水に入れてから、ロケットをセットするまでの時間を稼がなければいけません。
一番簡単な方法は、入浴剤をオブラートに包んで水に入れる方法です。
オブラートは水に溶けるでんぷんで出来た薄いシートで、お菓子の包装や、粉薬を飲むときなどに使用されています。
薬局などでは、薬を入れやすいように袋状になったオブラートが売られています。
2.入浴剤をオブラートで包む
用意した入浴剤が固形の物なら、トンカチで砕いて粉にします。
細かく砕くと表面積が広くなるので、二酸化炭素が出やすくなります。
十分に砕いたら、オブラートに入浴剤を入れて包みます。
量は小さじ山盛り1杯ぐらいです。
入れたら端を絞り、念のためにセロテープも使って密封します。
穴が開いていると意味がないので、しっかりと包みましょう。
こペットボトルの口から入れやすいように、少し細めになるように包みます。
入れるときに濡れたペットボトルの口に触れると、破れてしまうからです。
この「入浴剤入りオブラート包み」をいくつも用意しておきます。
3.ロケットをセット
ペットボトルに入れる水の量は、最初の時と同じ3分の1程度が目安です。
40度ぐらいのぬるま湯にすると、泡の出が多くなって圧力が高まるまでに要する時間が短くなります。
ただし、あまりに高温だとペットボトルが変形するので注意しましょう。
入浴剤の包みを入れたら、栓をしっかりねじ込んで発射台にセットします。
このときには、濡れた手で包みを触らないように気を付けましょう。
これだけで準備は完了で、後は飛び出すまで待つだけになります。
オブラートが1枚なら、大体1分程度で溶けて反応が始まります。
反応が始まってからいつ発射されるのかは、使った入浴剤の種類や量、水の温度や量、ボトルの容量、周囲の気温などによって変動します。
どんな条件なら、より早く発射が始まり、どれくらいの量を入れればより高くまで飛ぶのかを研究してみましょう。
専用発射台
入浴剤で発射するロケットはゴム栓に空気針を付けなくても良いので、普通のペットボトルロケットでは使えない方法で地面にセット出来ます。
ゴム栓の中心に穴を空けて5寸釘を突き刺し、底の部分から長く突き出るようにします。
発射の際にはこの栓をねじ込み、釘を地面に突き刺させば設置が出来ます。
地面が軟らかい場所でしかできませんが、発射角どの調節が簡単になります。