ピットフォールトラップで捕まえた生き物たち

地面を歩き回る小さな生き物たち

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実施した季節は八月で、場所は畑の片隅と、雑木林の2か所です。
仕掛けた回数は少なかったものの、かなり多様な生き物が捕獲できました。

ヤコンオサムシ

マイマイカブリ

オサムシ科の肉食性甲虫で、北陸・近畿・中国地方、四国にかけての地域で、平地から山地にある森林、草原の地表に住んでいます。
それら以外にも、畑や公園で見られることもあります。

肉食性の昆虫で、ミミズやほかの昆虫を襲って食べることから、英語では「プレデタービートル」と呼ばれています。
羽根が退化しているために飛ぶことはできませんが、獲物を追いかけるために足が速く、素早く動くことができます。

ミイデラゴミムシ

ミイデラゴミムシ

東アジア一帯に生息するゴミムシの仲間です。
体長は1.5cmほどで、ゴミムシの仲間では大きい方に入ります。
ゴミムシは大抵黒一色で地味ですが、ミイデラゴミムシの場合は例外的に派手な姿をしています。

肉食性の昆虫で、小さな虫や死んだ生き物を餌にしています。

ミイデラゴミムシは身を守るための強力な武器として、腹部先端から高温のガスをおならのような音と共に発射する能力を持っています。
このことから「へっぴりむし」とも呼ばれています。

ガスは水蒸気とハイドロキノンの混合ガスで、温度は100度以上にも達します。
後ろだけでなく、前後左右上下のあらゆる方向に撃つことが出来、カエル相手に高い効果を発揮します。

このガスは標的の皮膚のたんぱく質に結合して、化学的な傷を与えた上にひどい悪臭を染みつかせます。
人間ほど大きいと特に問題はありませんが、当たった部分がしばらく色が変わって臭くなりことでしょう。

ケラ

ケラ

地中で生活する昆虫で、英語では「Mole Cricket(モグラコオロギ)」と呼ばれています。
一番前の足が穴掘りに適した頑丈な形になっていること、体が流線形で地面を掘り進むときの抵抗が少ない形になっていること、全身には細かい毛が生えて地中移動がスムーズにできるところなど、いろいろな部分がモグラと共通しています。

食性は雑食性で、植物の根や種子、他の小昆虫、ミミズなど、食べられる物はなんでも食べます。
穴を掘り続けて移動するのは大仕事で、大量のエネルギーと水分が要るため、食料や水がないと一晩で死んでしまいます。

地中を進むだけでなく、かなりのスピードで地面を走れるうえ、泳ぐことも得意で、飛ぶことも出来る、万能アスリートな昆虫です。
大きな声で歌うことも出来、夏の初めには巣穴を共鳴室にして「ジー」という声を出して長々と鳴きます。

ちなみに、ミイデラゴミムシの幼虫はケラの卵”だけ”、それも塊になっているものだけを食べる、変わった食性を持っています。

ゴミムシ

ゴミムシ

オサムシと同じオサムシ科というグループに属する甲虫です。
ゴミムシの仲間は種類が多く、雑食の物から植物食の物まで色々といます。
この種は動物食の強い雑食型で、体長は1cm程度です。

ゴミムシという悲惨な名前が付けられていますが、実際は小型の虫やカタツムリも食べる獰猛なハンターです。
色々な物を食べますが、肉食性が強いので、肉を食べないとうまく成長できない種類です。

アオスジゴミムシ

アオオサムシ

ゴミムシの一種ですが、体長は2.2~2.3cm程度で、よりオサムシに近い外見をしています。
オサムシと同様に優秀なハンターで、日中は石や落ち葉の下に隠れ、夜になると地上を歩いて、他の昆虫を襲って食べます。

オサムシの仲間は上の鞘羽はひっついて開くことがない上、中にある羽も縮んでくしゃくしゃになっているので、空を飛ぶことはできません。
移動できる範囲が限られているため、オサムシは同じ種でも地域ごとの外見の違いが大きい生き物として有名です。

ハリゲコモリグモ

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網を張らずに地上を徘徊してエサを探すタイプのクモです。
体長は5~6mm程度で、ハエトリグモより少し大きいぐらいです。

クモは生きている餌しか食べないので、餌に引き寄せられたのではなく、歩いていてたまたま落ちてしまっただけのようです。

コモリグモの名の通り、メスは卵を産んでから子供が大きくなるまで、付きっ切りで保護する習性を持っています。
卵を産むと糸でくるんでお尻の先に付けて常に持ち歩き、生まれると腹の上に乗せたまま、自立するまで一緒に生活します。

ダンゴムシ

ダンゴムシ

等脚目(ワラジムシ目)という種類に分類される節足動物です。
等脚目の仲間には、海岸にいるフナムシや、深海にいて体長60cm以上になるダイオウグソクムシも含まれるます。

固い地面の上に置かれたり刺激を受けたりすると、体を丸くしてボールのような姿になって身を守ります。
ボール状になるとかなり硬くて頑丈になり、軟らかい地面の上なら踏んづけられてもつぶれずに地面にめり込むだけで済みます。

エサは落ち葉や朽ちた木などで、ダンゴムシがこうした植物の残骸を食べて糞として出すことで、微生物や他の植物が分解して栄養にしやすくなります。
死んだ生き物の体が早く分解されるのを助ける「分解者」で、生態系をきれいに保つために重要な役目を持っています。

オオヒラタシデムシの幼虫

ワラジムシ

甲虫の一種で、動物の死体や糞を食べる食性を持つ。
シデムシは「死出虫」、「埋葬虫」とも書く。
親はゴキブリに似た平たい姿で、ミミズなどの死体を食べる。

産卵の時は地下に動物の死体を埋め、肉団子を作って幼虫に与える。
幼虫はしばらく親に育てられた後、地上に出てきて自活するようになる。

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