重曹+クエン酸で飛ばす推進剤強化型ロケット

より強力なロケットに挑戦

重曹ペットボトルロケット

発泡入浴剤と同じように、水に入れるとガスを出すものならば、なんでもロケットの発射に利用できます。
簡単に手に入れられる重曹とクエン酸でロケットを打ち上げてみましょう。

発射成分その1:重曹

重曹

重曹は正式には炭酸水素ナトリウム(化学式はNaHCO₃)という物質です。
この物質は発泡入浴剤の主成分で、二酸化炭素を発生させる元になっています。
入浴剤以外にも、クッキーを焼くときのベーキングパウダー、掃除、医薬品や消火剤に至るまで、幅広く使われています。

用途が広いので、スーパー、薬局、ホームセンター、百円ショップなど、いろいろな所で手に入ります。
百円ショップで手に入る掃除用重曹は、安い割に入っている量が多いのでおすすめです(掃除では茶渋落とし、油汚れ・焦げ落としに使われます)。

ちなみに、水に入れる以外に、加熱しても反応が起こって、炭酸ナトリウム、水、二酸化炭素に分解されます。
ベーキングパウダーの重曹が生み出す二酸化炭素によって、パンケーキやカステラの生地がフワフワになっています。

重曹は特に害は無い物質ですが、掃除用の物はあまりきれいではないので、口にしないでおきましょう。
何より、アルカリ性で非常に苦くてまずいので、食べても何の得にもなりません。

発射成分その2:クエン酸

クエン酸

重曹に酸を加えると激しく反応してよりたくさんの二酸化炭素が放出されるので、発射の際の圧力の向上が期待できます。
酸は炭酸から危険な硫酸までいろいろありますが、今回は簡単に手に入って安全、水にも溶けやすい「クエン酸」を使います。

クエン酸はレモンやグレープフルーツ、ウメなどの酸っぱさの元です。
食べ物にすっぱい味をつける以外に、湯沸かしポットや流し台といった水回りの汚れを落とすためにも使われています。

スーパーや百円ショップでも、ポット洗浄用や掃除用として売られています。
こちらも百円ショップの物が安くて、量も200g程度と多いのでお勧めです。
掃除用重曹と並んで売られていることもよくあるので、見つけるのも簡単です。

反応の仕組み

反応

クエン酸を重曹と一緒に水に混ぜると、反応を起こして「クエン酸三ナトリウム」と「水」、「二酸化炭素」へと変わります。
重曹8gに対しクエン酸7gの比率で混ぜると、余らず反応するので効率的です。

目安は、500mlのペットボトルでなら、両方とも小さじ1杯前後です。
1.5lペットボトルのロケットなら、量はそれぞれ3倍にしましょう。
この実験の場合でも、40度ぐらいのぬるま湯を使えば反応がより早くなります。

オブラートで発射までの時間を調節

クエン酸と重曹の組み合わせは、発泡入浴剤だけの場合よりも激しい勢いで二酸化炭素を出します。
そのため、オブラートで包んでおかないと、まずまともに使えません。

入浴剤の時と同じように、袋オブラートにクエン酸と重曹をそれぞれ包み、反応が始まってガスが出るまでにセットをする時間を稼げるようにしましょう。
別々に包んでも、混ぜてから包んでも構いません。
一枚で入らない時は、余裕があるように分けて包みましょう。

いざ発射!

発射時には入浴剤の時と同じように、容量の3分の1の水を入れたロケットに2種類の薬剤が入った包みを投入します。
即座に栓をしてロケットをセットすれば準備完了です。
オブラートの枚数を増やしておけば、より余裕を持ってセット出来ます。

クエン酸だけ粉のまま水に入れ、その後で包んだ重曹を投入する方法もあります。
ただし、酸によってオブラートが予想以上のスピードで溶けることもありますし、粉のままのよりは包んだ方が扱いやすいので、両方ともオブラートのパックにしてから入れた方が能率的です。

それぞれのオブラートが破れて中身が水に溶けだすと、反応が始まって二酸化炭素が放出され始めます。

酸が二酸化炭素の放出をブーストする状態になるので、重曹だけの場合以上のスピードで二酸化炭素が放出されます。
この仕組みは、発泡入浴剤にクエン酸を合わせる方法でも実現できるので、両方を新しく買うのが面倒くさいときは、クエン酸だけを買い足してもOKです。

ただし、いろいろな成分が混ざっている入浴剤よりも、混じりけなしの重曹だけの方が、より多くの炭酸ガスを出せます。
入浴剤よりも重曹を使った方が、同じ量でもより高い威力がでます。

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