次世代型ペットボトルロケット「メントスガイザーロケット」

次の推進剤は「コーラ」と「メントス」

メントスガイザーロケット

ガスを出す組み合わせなら何でもペットボトルロケットの発射薬になります。
今度は食品を使う中で、最も猛烈な勢いで泡を出す「メントス&コーラ」でペットボトルロケットを発射してみましょう。

メントス&コーラとは?

M&C

メントスコーラは、コーラのような炭酸飲料にお菓子のメントスを放り込むと、猛烈な勢いで泡が立ち、間欠泉のように吹き上がる現象です。
別名「メントスガイザー(ガイザー=間欠泉)」とも呼ばれています。

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炭酸飲料に物を入れると、その物の表面に多数の泡が生じます。
これは物の表面にある微細なへこみが、溶けている二酸化炭素が泡になって出ていく手助けをすることが原因です。

例えば、岩塩やラムネのように表面に非常に微細なくぼみが多数開いている物を入れると、多量の二酸化炭素が一気に放出されて、泡が吹きこぼれます。
そこに「科学男」スティーブ・スパングラー氏が、メントスとコーラの組み合わせが、最も強烈な作用を生み出すことを発見しました。

メントスガイザーの仕組み

メントス 2

メントスはハードチューイングキャンディ(ハイチュウの固いタイプのような物)の表面に、コーティングを施したものです。
表面に無数の微細な凹凸があるだけでなく、アラビアガムとゼラチンという成分によって、何層にもコーティングされています。

水に入れられると、これらの成分が溶けだします。
すると、溶けた成分が「界面活性剤」として機能し、水の表面張力を弱めて、泡が生じやすい状態を作ります。

表面張力

界面活性剤は洗剤に代表される機能を持つ成分で、水の分子が互いに引っ張り合う(表面張力)を弱めます。
水が互いに引き合う力が弱まれば、気体は水を押しのけて泡になりやすくなるのです。

メントスは一粒で「泡が生じやすい場所を用意」+「液を泡が生じやすい状態にする」の二役をこなし、コーラの中の二酸化炭素を一気に解放します。
こうして、メントスをコーラに入れるだけで、ものすごい勢いで泡が噴き出すことになるのです。

これまでの研究では、サイダーなどよりもコーラ、特にダイエットコーラが最強の噴出力を示すことが明らかにされています。
ダイエットコーラの成分であるカフェイン、安息香酸カリウム、甘味料のアステルパームが泡を作るのに役立っているのではないかともいわれています。

用意する物

・コーラ(ダイエットコーラ)
・メントス

ロケットを飛ばす前に、メントスガイザーがどのような物なのかを見てみましょう。
この実験は、必ず屋外でやらなくてはいけません。
周辺にコーラをぶちまけるので、室内でやれば後始末に泣くことになります。

コーラは必ず未開封の物を使用します。
炭酸が抜けていれば、十分な泡は発生しません。
冷えていると炭酸が放出されにくいので、温度は常温にしておきましょう。

メントスガイザーの実験手順

まず、屋外で周辺に何もないところに、コーラを置きます。
ふたを開けて、メントスを投入すれば、その瞬間に泡が噴き出します。
湧き水のようにあふれだすのが普通ですが、条件を整えれば、まさに間欠泉のごとく噴き出します。

ロケットに応用してみる

猛烈な勢いで二酸化炭素が出るなら、これをペットボトルロケットの推進剤にすることも可能です。
道具も今までの物を流用し、メントスとコーラ(ダイエットコーラ)を用意するだけで大丈夫です。

1.メントスをオブラートで包む

メントスガイザーはメントスを投入した瞬間から始まるので、普通にメントスを入れると栓をするまでにコーラが噴き出し、炭酸もコーラも減ってしまいます。
これではロケットとして発射できません。

そこで、クエン酸+重曹を使った実験と同じように、オブラートでメントスを包み込むことで、発生までの時間を遅らせるように工夫しましょう。

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500mlなら三つ程度のメントスを、オブラートに包みんでしっかりと閉じます。
基本的には、オブラート1枚当たり5分前後の時間を稼ぐことがd系ます。
ただし、穴が空いていると意味がないので、封は厳重にしましょう。

2.未開封のコーラを準備する

使用するのは先ほどと同じように新品のコーラです。
ノズルコーンやフィンをつけても構いませんが、ふたを開けないまま接着しましょう。

3.発射!

まず、コーラのボトルを常温にしてからふたを開けます。
オブラートで包んだメントスを入れ、栓をきつくねじ込み、発射台にセットします。
完了したら急いで退避しましょう。

オブラートが溶けるまではそれなりに時間がかかるので、発射されなくてもしばらく待っておきましょう。
近づいた瞬間にオブラートが溶けて反応が始まる→自分にコーラがかかる、ということにもなりかねないので、下手にいじくらないほうが賢明です。

上手くいかない時は

上手くいかない時は、コーラの量を減らして3分の1程度になるように工夫してみます。
あらかじめ冷やしておいて、要らない分をグラスなどに注ぎ、その後から常温に戻すと炭酸が逃げる量を最小限に抑えられます。

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