望遠鏡にはどんな種類があるのか?

ポケットサイズから人工衛星まで

望遠鏡が生まれてからすでに400年以上が経過し、今では持ち運べるものから天文台に据え付ける物まで、多種多様な種類が生まれています。
見える光だけでなく、X線やガンマ線のような放射線や、重力による時空の歪み「重力波」を観測する物まで、いろいろです。

双眼鏡を使えば数十m先の鳥の仕草が分かり、宇宙望遠鏡を使えば130億光年先の銀河の姿が分かるなど、化学の発展になくてはならない物になっています。
望遠鏡にはどのような種類があるのかを見ていきましょう。

望遠鏡の基本型:光学望遠鏡

 brass-spyglass-captain-692736_1920

最初に作られ、現在も一番広く使われているのが「光学望遠鏡」です。
このタイプは可視光線――人間が見ている光を使う物で、つまりはレンズや鏡を使った普通の望遠鏡のことを指します。
望遠鏡といえば、基本はこの光学望遠鏡です。

レンズの組み合わせ型光学望遠鏡:屈折望遠鏡

Monocular_Telescope_at_Eiffel_Tower_In_Paris

屈折望遠鏡は世界で最初に開発されたタイプで、望遠鏡といえばこちらを指します。
基本的に、筒の先端にある対物レンズと、目に当ててみる接眼レンズの二つのレンズを使うことが特徴です。
双眼鏡やフィールドスコープなどは屈折望遠鏡です。

鏡を使った光学望遠鏡:反射望遠鏡

telescope-710176_960_720

反射望遠鏡は、対物レンズの代わりに凹面鏡(中心に向かってへこんだ鏡)で光を集めるタイプの望遠鏡です。
メインの鏡(主鏡)で集めた光を別の小さな鏡(副鏡)で反射して、接眼レンズに届けるという仕組みを持っています。

多くの光を集める+視野を広くするために口径(筒の直径)を大きくした場合、屈折望遠鏡ではレンズが分厚くなって入ってくる光の量が減ってしまうのに対し、反射望遠鏡では問題が無いところが特徴です。
そのため、か弱い星の光を見る天体望遠鏡に多く使われています。

AEOS3_lg

サイズの大きい物を作りやすいので、売られている天体望遠鏡でも口径が大きい物は基本的にはこちらです。
天文台の中には、口径が10mを越える超大型反射望遠鏡を備えている所もあります。

ハイブリッド光学望遠鏡:屈折反射天体望遠鏡

Telescope_Celestron_window

こちらは屈折と反射の二種類の望遠鏡の構造を組み合わせ、より性能が向上するように工夫されたタイプです。
反射望遠鏡に補正板やレンズを組み込み、色のにじみや像のボケを抑えてより鮮明な画像が見えるように改良しています。

見えない光のための望遠鏡:電波望遠鏡

 dwingelderveld-987324_1920

望遠鏡の中には、赤外線や紫外線、X線など、人間の目には見えない光を観測する物もあります。
可視光線も赤外線や紫外線も光の波の長さ(波長)が異なるだけで、本質的には同じ電磁波(光)の仲間です。

星の多くは可視光以外の光を発している物が大半で、これらの光で見る望遠鏡の方がよりはっきりとした姿を確認できます。

大掛かりな光学望遠鏡の多くは、可視光線に近い「近赤外線」「近紫外線」でも観測が出来る物が大半です。
しかし、可視光線と大きく違う光を観察する電波望遠鏡の場合は、望遠鏡とは思えないようなアンテナその物の形をしています。

はるか遠くの星から来る微弱な電波を受け取るために、電波望遠鏡は直径が何mもあるような巨大な物ばかりです。
最大の物は中国にある南西部にある「500メートル開口球面電波望遠鏡(FAST)」で、なんと自然のくぼ地をそのままパラボナアンテナにしています。

antennas-1335762_1920

中にはいくつものアンテナを並べて一つの巨大な望遠鏡として機能する物もあります。
例えば、チリのアタカマ砂漠にある「アタカマ砂漠サブミリ波干渉計(通称「アルマ」)」は66台のアンテナを使い、直径18kmの超巨大望遠鏡として宇宙を観察しています。

人工衛星天文台:宇宙望遠鏡

宇宙望遠鏡

地球は分厚い大気の層に覆われており、地上にある望遠鏡は大気の層を通して星空を見ています。
これはプールの底から水を通して上を見ているような物で、星は空気の動きによってちらついて見えてしまいます。

また、大気の分子や水蒸気は光の一部を吸収してしまうので、地上からは観察できない物もあります。
この問題の解決のため、大気の影響を一切受けない宇宙空間に望遠鏡を置いたのが「宇宙望遠鏡」です。

telescope-63119_640

基本的には、望遠鏡を人工衛星にして宇宙に配置した物となっています。
有名な「ハッブル宇宙望遠鏡」は、口径2.4mの光学望遠鏡です。

X線、紫外線、ガンマ線は大気に吸収されて地上に届きにくいので、これらの光にそれぞれ対応した望遠鏡は宇宙望遠鏡が主役です。
赤外線も地上では水蒸気に吸収されやすいので、宇宙赤外線望遠鏡が良く活躍しています。

今までにアメリカをはじめとして、日本、EU各国(フランス、イギリス、イタリア、オランダ、オーストリア、スウェーデン)、インド、ロシア、カナダ、イスラエルが宇宙望遠鏡を打ち上げています。
(日本では今までに10以上の各種宇宙望遠鏡を打ち上げています)

これからの望遠鏡

space-telescope-561365_1920

誕生から4世紀以上が経過した天体望遠鏡は、現在もますます発展を続けています。
手で持てるサイズの望遠鏡でもデジタル機器による補正を加えて、より倍率をあげたり機能を良くしたりしている物も登場しています。
スパイ映画のような機能を持った物も、今では通販で買うことも可能です。

天文台の望遠鏡では、口径39mのE-ELTや、492枚の鏡を組み合わせた「30m望遠鏡」など、サイズと性能はどんどん向上しています。

宇宙望遠鏡でも改良が進み、ハッブルの後継を担う「ジェームズ・ウェッブ」は地球から150万km離れた位置(ハッブルは600km)に打ち上げられる予定です。
さらに、この望遠鏡はチリに建設予定の「巨大マゼラン望遠鏡」と連携する計画になっています。

こうした超大型望遠鏡を運用するには莫大な費用が掛かるので、1国だけでやるのが難しく、複数の国で協力することが一般的です。
逆に民間での宇宙輸送ビジネスが発達すれば、「個人で宇宙望遠鏡を作って、会社の打ち上げサービスで宇宙に運んでもらう」ことが可能になる日が来るかもしれません。

望遠鏡を作ることには、それだけ壮大なロマンが詰まっているといるのです。

Feel free to link to this page.
PAGE TOP