ピットフォールトラップの設置方法
トラップをセットしてみよう
罠が完成したら、いよいよ実際に設置して虫を捕獲してみましょう。
どんな場所に、どういう形で仕掛けるとよいのかを、これから見ていきます。
どんな場所に仕掛ければよい?
設置場所としては、以下のような場所が良いでしょう。
・林や森
・山道
・草地の開けた場所
地上を歩くタイプの昆虫は、草がびっしりと茂っている場所よりも、土があるていどむき出しになっている場所を好みます。
落ち葉が多い林の中は、オサムシなどの昆虫を始めとする様々な生き物の生活場所なので、手始めにここから始めて見ると良いでしょう。
仕掛ける場所のポイントとしては、完全に開けた場所よりも、落ち葉や植え込みといった隠れ場所が近くにある所の方が良いかと思われます。
あまりに開けた場所では鳥などに襲われやすいので、虫たちも逃げ隠れが出来るポイントがある場所の方を好むためです。
仕掛け方
トラップを設置するときは、まず穴を掘って、コップの縁が地面と同じ高さになるまで埋め込みます。
小さな虫たちが近づいてこれるように、コップの縁と地面がきれいに地続きになるように、整えてやりましょう。
埋める時には、同じサイズのコップをかぶせてから土を寄せると、中に土が入らずにきれいに埋めることが出来ます。
埋め込んでから、エサをカップに入れると完了です。
罠の周囲にも少量のエサをばらまいて、周囲に臭いを拡散させれば、虫をより強く引き寄せる効果が期待できます。
注意事項
注意するのは、人の迷惑にならないように心がけることです。
他の人の土地に勝手に穴を掘って罠を設置するのは、当然ながら厳禁です。
公共の花壇など、他の植物がすでに植えてある場所も好ましくありません。
「屋根」を用意する
ピットフォールトラップを用意するときは、落とし穴の上に「屋根」をつけることもあります。
雨が降ってきたときに、かかった虫が溺れたり、たまった水で餌の臭いが薄れたりするのを防ぐためです。
また、地面は虫だけでなく、ネズミや鳥などの活動場所でもあります。
せっかくわなを仕掛けても、エサを横取りされたり、罠にかかった虫を食べられてしまったりすることもあり得ます。
邪魔者を防ぐためにも、屋根を用意しておいて損はありません。
屋根のタイプ
簡単に作れる屋根には、牛乳パックと割りばしを使った「屋根型」と、カップやペットボトルの底を使った「ドーム型」があります。
屋根型は牛乳パックの角の部分を利用しています。
適当なサイズに切って、両面に支柱となる割りばしを貼りつけ、適度なサイズに切断すれば完成です。
使うときは図のような形で、地面に割りばしを差し込んで固定します。
ドーム型は、トラップのコップよりも一回り大きな、カップ麺のカップや、1.5lペットボトルの底の部分を使います。
縁の部分に、3~4か所の「入口」を開けて、罠にかぶせる形で設置します。
虫が近づいてこれるように、入り口の幅は広めにしておきましょう。
対カラス用防衛策
ピットフォールトラップの設置において、最も警戒するべき相手はカラスです。
いたずら好き、器用、頭が良いとそろっており、特に理由がなくとも面白半分に罠を引っこ抜いてしまいます。
カラスは器用なので、屋根があっても外して罠を引き抜いてしまいます。
そうした時は竹串を上に向けて差し、「獣避け」を作りましょう。
竹串を3~4本、罠の周囲を囲むようにして植えこみます。
先端を内側に向けて刺すと、罠が引き抜かれにくくなります。
ただし、尖った物を地面に刺すので、人が通る所でやると危険です。
必ず、目で見てはっきりわかる場所、あるいは人が通らない所に設置する罠にだけ使いましょう。