ニュートン式反射望遠鏡を作ろう

本格スタイル天体望遠鏡

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反射望遠鏡は仕組みがややこしそうに見えますが、ニュートン式なら比較的簡単に作れます。
グレゴリー式のように「ドーナツ型に穴が開いた凸面鏡」は簡単に手に入らず、ハーシェル式は小さい望遠鏡では使い物にならないので、自分で作るならニュートン式が一番です。

用意する物

・凹面鏡×1枚 ・木材 ・棒材 ・合板
・ミラーシート ・虫眼鏡 ・ラップの芯
・黒画用紙・ネジくぎ ・両面テープ ・瞬間接着剤、
・黒のラッカースプレー

・のこぎり ・電動ドリル 
・定規 ・メジャー ・ハサミ

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凹面鏡は中心が緩くくぼんでいるタイプの鏡で、映した物を拡大できる点が特徴です。
使う凹面鏡は、表面仕上げがきれいで、形状が円形なら何でも構いません。
小さすぎると光が入らずに使いづらいのですが、大きいと望遠鏡も大きくなりすぎるので、直径が20cm未満の物がベストです。

接着剤で板に張り付けるので、裏面がまっすぐな物にしましょう。
スタンドなどの付属品は余計なので、取り外したり切り取ったりできるデザインの物を選びます。

虫眼鏡は写真用の10倍の物がベストです。
倍率が高めの物を選びましょう。

本体部分を作る木材は、軽量化のために桐材を使うと良いでしょう。
比較的軟らかいので、加工も簡単です。
サイズは幅が凹面鏡の直径よりも4cm以上広い物を選択します。
強度を保つため、厚みは1.5cm以上ある物が望ましいでしょう。

1.凹面鏡の性能を測定する

最初の作業は「焦点距離」を知ることです。
焦点距離は凹面鏡に反射した光が1点に集まる距離のことです。

凹面鏡焦点距離

良く晴れた日に、太陽が真上近くに来る昼頃まで待ち、凹面鏡を平らな地面の上に置きます。
光をさえぎらないように注意しつつ、凹面鏡の上で紙などを上下させ、反射光が一転に集まる距離を計測します。

このとき、光が集まる場所に長時間物をかざしたり、手をかざしたりしないようにしましょう。
虫眼鏡と同じで、熱が集中して発火する危険性があります。

2.木材を切り出す

凹面鏡の性能が測定出来たら、いよいよ望遠鏡の本体部分を作ります。

木材から切り出すパーツは4つです。

設計図

① 側面パーツ1

接眼レンズと副鏡を装着する部分です。
縦:主鏡の直径+4cm
横;主鏡の焦点距離+主鏡の厚み
端から(主鏡の直径-4cm)の地点を中心に、直径3.2cmの穴をあけておきます。

② 側面パーツ2

全体を支える補強用パーツです。
縦:主鏡の直径+4cm+板の厚み
横:主鏡の焦点距離+主鏡の厚み+板の厚み

③ 底面パーツ

主鏡を接着する部分です。
縦:主鏡の直径+4cm
横:主鏡の直径+4cm

④ 前面パーツ

望遠鏡の口になる部分です。
底面パーツと同じ大きさにして、中心に主鏡と同じサイズの穴を空けます。

3.内側を黒く塗る

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余計な光が入って中で反射すると、望遠鏡は見えにくくなります。
光の反射を抑えるために、望遠鏡の内側になる部分はペンキかラッカースプレーで真っ黒に塗りつぶします。

4. 側面の穴を確認

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5.組み立てる

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切り出したパーツを、内側が黒になる形で、箱型に組み立てます。
それぞれのパーツをいったん接着剤で貼りつけて形を整え、電動ドリルで穴をあけてからネジくぎを刺して完全に固定します。

6.ミラーシートをセット

反射鏡の光を接眼レンズに導く鏡をセットします。
まず、棒材を切って図のような支柱を作ります。

 支柱

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ミラーシートを貼りつける横の棒の先端部分は、斜め45度にカットしておきます。
ミラーシートは2cm四方のサイズに切って、支柱の先端部に両面テープでセットします。
完成したら、ミラーシートの中心の部分が、横板の穴の中心部と一致する位置に支柱をネジくぎで取り付けます。

穴から中を見て、ミラーシート中心部に、凹面鏡の中心が移っている形にすれば完了です。

7.接眼レンズを作る

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接眼レンズの本体は、ラップの芯を切って作ります。
ラップの芯の長さは、望遠鏡の口の部分から、横板の穴の中心までの距離と同じにします。
筒の端から、虫眼鏡の焦点距離の深さまでレンズを入れます。

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出来た筒を、横板の穴から差し込めば完了です。
緩いときは、筒に紙などを巻き付けて、太さを調節しましょう。

8.紙を貼る

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全体が完成したら、オープンになっている部分を覆う形で、黒い画用紙をかぶせます。
画用紙の端を押しピンで固定しておけば、中の調整をするときに外すのが簡単になります。

使い方

望遠鏡の口を見たいものに向け、接眼レンズを覗きます。
接眼レンズの筒を前後させて、視界のなかのピントを合わせます。
売っているようなものほどばっちり見えるわけではありませんが、それでも遠くのものが拡大されて見えるのが分かります。

もっとよく見えるように

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もっとよく見えるようにするために、主鏡にドーナツ型の紙を貼る方法があります。
売っている鏡はそれほど精度が良くないのですが、中心部分は比較的良いので、それ以外の部分を覆うことでよりシャープな映像にすることが出来ます。

黒い画用紙を鏡と同じサイズに切り、中心部分を2/3ほどの直径で丸く切り抜きます。
これを貼りつければ、高精度な真ん中の部分だけで光を反射させてみることが可能になる理屈です。

ただし、鏡が狭くなるのと同じなので、光の量が減って視界が暗くなります。
また、副鏡や支柱が邪魔になりがちです。
どれだけのサイズの穴にすれば一番よく見えるのかを、いろいろ試してみましょう。

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