雷発生実験に挑戦
電球の中で雷を起こそう
圧電素子は1万ボルトの電流を発せますが、それでも空気中での放電距離は数mmが限界です。
しかし、「電球」を使うことで、放電が起きる距離をグンと伸ばすことが可能となります。
雷はどのようにして発生するのか
雷が生じる原理は完全に解明されているわけではありませんが、大よそ以下のような物であると考えられています。
雲の内部には無数の大小さまざまな氷の粒が漂っており、上昇気流が発生して雲が発達すると、それらがぶつかって静電気が発生します。
上昇気流で持ち上げられる小さい氷の粒(氷晶)はプラスに帯電し、粒が大きく重たい霰(あられ)はマイナスに帯電します。
こうして、雲の上の方はプラス、下はマイナスに帯電し、雲中の+-の差(電圧)がどんどん大きくなっていきます。
電圧が非常に大きくなると、ガラスが圧力に負けて割れるように空気の絶縁が破れ、電気が稲妻となって空気の中を流れるという理屈です。
いずれにしても、上の方に静電気の発生源があり、下との間で放電現象が生じるという理屈になります。
電球の中では稲妻を起こしやすい
電球の中は、他の場所に比べると非常に放電に適した環境です。
、普通なら1mmぐらいしか放電させられない圧電素子の電圧でも、電球の中なら枝分かれするほどの稲妻を発生させられます。
白熱電球は、中心部にあるフィラメントという線に電気を流して発光させる仕組みです。
フィラメントは非常に高温になるために、使っていくと蒸発していき、やがて切れてしまいます。
フィラメントの蒸発を防いで少しでも寿命を延ばすため、電球の内部にはアルゴンやキセノンといった不活性ガスが封入され、化学反応が起こりにくい環境に設定されています。
また、電球内部の空気には湿気が全く含まれておらず、この上なく乾燥しています。
乾燥した冬場に静電気が発生しやすいことからわかるように、湿度が低ければそれだけ良い具合に放電が生じます。
用意する物
・クリア白熱電球×1個
・圧電素子×1個
・導線
・アルミホイル
圧電素子と電球を導線でつなぎ、図のような装置を用意します。
圧電素子が雷を発生させる雲、アルミホイルが地面、電球が空気というわけです。
圧電素子の電極とつなげるのは、、電球の金具の頂上部でも、周辺部でも構いません。
実験の際には、圧電素子の電極と電球の金具が、他の物に触れないように注意しましょう。
電球のガラスが邪魔になりそうですが、高電圧によって電流はガラスを通るので問題ありません。
線をつなげるのはマイナス極側だけにして、電球のガラスと地面を接続する方法もあります。
写真のように、電球のガラス部を反対側の手で持って地面の代わりにしてもOKです。
上手く雷を見るときのコツ
発生する稲妻は光が非常に弱いので、実験するときには部屋を真っ暗にしましょう。
高感度カメラでないと撮影できないのですが、肉眼なら図のような稲妻が起きるのが見えます。
手の中でこれほどの稲妻が見れるのは圧巻です。
ぜひとも一度挑戦してください。