空気砲の仕組み

空気の弾の正体は?

空気砲弾 2

煙を入れれば、空気砲から出る弾の動きを視覚化できます。
しかし、大きな空気砲では、十分な濃度の煙を溜めるのが困難です。
煙が出るのが見えても、形までははっきりしないでしょう。

そこで、もっと簡素なミニチュア版空気砲を作って実験してみましょう。

用意する物

・1.5l牛乳パック 2個
・ガムテープ
・カッターナイフ
・ドライアイス 100~200g

1.本体を作る

渦輪発生装置

片方の牛乳パックの折られている部分を切り落とします。

2.ふたを作る

もう一つの牛乳パックの側面を、最初の牛乳パックの口にかぶせるふたの形になるように切り抜きます。
ふたの中心部に十円玉を使って円を描き、穴をくりぬきます。

3.接着する

ふたを最初のパックにかぶせ、穴以外の場所から空気が漏れないように、ガムテープでしっかり固定します。
これだけで完成です。

実験方法1.下準備

準備として、ドライアイスを穴に通る大きさに砕きます。
必ず軍手をして扱い、砕くときはビニールやタオルに包んで砕きましょう。

実験方法2.お湯の用意

熱いお湯をパックの中3分の1程度になるまで注ぎます。
熱湯には十分注意しましょう。

実験方法3.ドライアイス投下・空気弾発射

ドライアイスの欠片をお湯の中に投じると、濃い水蒸気が煙のように立ち上ります。
パックの中にはすぐに蒸気でいっぱいになるので、空気砲の時と同じように、パックの両側面を素早く圧迫します。

すると、キノコが生えてくるように蒸気の塊が穴から飛び出します
これが、空気砲で発射される空気の弾です。

何故このようになるのか?

空気砲から発射される空気の塊は「渦輪」と呼ばれるものです。
これが発生するメカニズムは、以下のようになっています。

渦輪の原理

1.箱を叩いた時の圧力で発射口から送り出された空気は、外の動いていない空気にぶつかります。

2.このときぶつかった空気は、粘土が壁にたたきつけられたときのように、薄く広がった円盤のような状態になります。

3.円盤形になった空気は全体が前に進んでいるので、広がった空気の端の部分が、巻き込まれるように後ろへと移動して渦となり、リングを形作ります。

一度できた渦運動は安定し、すぐには拡散せずに塊のまま飛んでいきます。
これが空気砲の弾となります。

応用として、銃の空砲(弾丸が入っていない、薬莢と炸薬だけの弾薬)で銃を空気砲にする試みがなされています。
実弾を使わないので、犯人を死傷させずに、離れたところから倒すことに利用できると考えられています。

きのこ雲

この渦輪を超大規模にしたのが、核爆発や火山の噴火の時に生じる「きのこ雲」です。
爆発が起きると、爆心地の空気は膨大な熱によって一気に膨張し、激しい勢いで上昇していきます。

このときに上昇した空気が、上にある空気にぶつかって広がり、空気砲の渦輪と同じ状態になり、キノコのような形を作り出すのです。
きのこ雲は「大量の熱で空気が押し上げられる」ことで生じるので、爆弾や石油、ガスなどの爆発でも、規模が大きいならばきのこ雲が発生します。

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