U.S.Navy エアキャノンを作ろう
もっと大砲らしい空気砲を作ってみよう
先ほどの段ボール製の空気砲は非常に簡単に作ることが出来ます。
しかしこのタイプの空気砲は良く知られていて、実験としてややありきたりです。
見た目も段ボールに穴をあけただけなのでインパクトにも欠けます。
何より耐久性に欠けるので、すぐに壊れてしまいます。
そこで今度は、もっと大砲らしい見た目の、頑丈な空気砲を作ってみることにしましょう。
今回作るのは、ポリバケツを砲身にして、ビニールシートとゴムボールを発射機構に利用した物です。
このタイプの空気砲「エアバズーカ」を考案し、2003年に製品化したブライアン・ジョーダン氏は、開発当時はアメリカ海軍の中尉でした。
ジョーダン氏は子供のころからアイデアを温め続け、高校生の頃に作ったプロトタイプを改良し続けることでこの製品を生み出したそうです。
英語ではこの手のおもちゃを、「エアキャノン」、あるいは「エアボルテックスガン(Air Vortex Gun)」と呼んでいます。
空気砲もいいですが、これもなかなか格好いい名前です。
用意する物
・20リットルのポリバケツ×1個
・ゴムバンド(直径12cm程度)×1個(ゴム紐、ゴムベルトでもOK)
・ヒートン(物をひっかけるために端が輪になったねじくぎ)×1個
・45×45cm以上のビニールシート(厚さ0.1~0.15mm)×1枚
・布テープ、あるいはダクトテープ
・ゴルフボール×1個
・電動ドリル ・糸のこ、あるいは万能ばさみ
・はさみ ・のこぎり
・ドライバー ・モンキーレンチ
1.バケツに発射口を開ける
ポリバケツの底に、直径12cm程度の穴を開けましょう。
不要なCDやDVDを置いて縁をなぞると、目印の線がきれいに描けます。
円の内側にドリルで穴をあけ、そこを足掛かりにしてハサミや糸のこの刃を差し込んで切っていきます。
バケツの底はかなり分厚くて頑丈なので、無理をせず慎重に切りましょう。
2.発射用ゴムひもを取り付ける
穴が空いたら、バケツの縁から20cm下の側面部に、3mmの穴を一つ開けます。
その反対側にも、同じ高さに同じ大きさの穴を開けます。
用意したゴムバンドを切って、ゴムひもにします。
バケツの内側からゴムひもを穴に通し、結び目を作って固定します。
ひもにはヒートンを通し、反対側の穴にひもを通して結び目を作ります。
ヒートンが通されたゴムひもが、バケツの中を横断する形になるはずです。
3.ビニールシートを用意する
続いて、ビニールシートを45×45cmの正方形に切ります。
普通のゴミ袋(厚さ0.03~0.05mm)では薄すぎてすぐに破れてしまうので、厚手のビニールを用意しましょう。
不燃ごみようの袋ならかなり丈夫に作られています。
ビニールシートの中心部には、長さ5~6cmに切った粘着テープか布ガムテープを2枚重ねて貼ることで補強します。
反対側にも同じように、テープを2枚重ねで貼りつけます。
こうして作った補強部分の真ん中(テープが4層重なっている場所)に、3mm程度の穴を開けます。
使わない木片などを下に敷き、ドリルで開けるときれいにできます。
4.「雷管」になるゴムボールを取り付ける
ゴルフボールにドリルで穴を開けます。
この穴にはヒートンをねじ込むので、適度なサイズになるよう調整しましょう。
ボールを手で保持してドリルを使うと、滑ってけがをする危険性があります。
万力やモンキーレンチなど、がっちりとはさめる道具を使って固定しましょう。
ひもで吊るしたヒートンをバケツの口の方に引っ張って、ねじくぎの部分をビニールシートの中央に空けた穴に通します。
穴を通したねじくぎをゴルフボールの穴に差し込み、接着剤も使ってしっかりとと固定します。
5.発射機構を調整
バケツの口にビニールシートを広げ、縁をピンと張ります。
太鼓の革のように強く張るのではなく、少しだけ余裕がある程度にしましょう。
余った部分はハサミで切り取り、テープで縁を覆って完全に固定します。
完成した装置の内部は、図のような形になります。
ゴムボールの位置がうまくいかない時は、ゴムひもの長さを調節してみましょう。
発射方法
発射口を標的の方に向けて構え、ゴルフボールを後ろに引っ張ってから離します。
上手くいけば、段ボール空気砲と同じように、渦輪になった空気の塊が飛んでいきます。
威力が不足していると思ったときは、ゴムバンドの取り付け位置をずらしましょう。
穴の位置を発射口に近い部分にずらし、引っ張る距離を長くすることで、ゴルフボールがたたきつけられる力を増大させます。
グリップを付けてみよう
バケツの形のままでは少し持ちづらいので、グリップを装着するのもアリです。
構えやすくなるだけでなく、見た目もそれらしくなります。
用意する物
・木材
・ネジくぎ
・ボルト、ナット
・電動ドリル
部品はベースになる木の板と、グリップになる木の板を用意します。
板は1×3の物が良いですが、頑丈で適度な厚みと幅があるなら何でも構いません。
長さは、グリップ部は15cm、ベースは23cmが目安です。
グリップ作り方1.グリップとベースを製作
まず、ベース部とグリップ部をネジくぎで留めつけます。
ネジを刺す場所には、事前にドリルで穴をあけておきましょう。
直角につけるとやりやすいですが、切り口を斜めに切って角度をつけると、よりランチャーのグリップらしくなります。
グリップ作り方2.本体に取り付ける
ベースの前後に穴をあけ、バケツにも対応する部分に同じ大きさの穴を開けます。
二つを合わせ、ボルトを通してナットで固定すると完成します。
バケツの内側から外にボルトを通すと、ナットを締めるのが楽になります。
グリップが無くても発射は出来ますが、あればより「空気砲」らしい見た目になります。
馴れれば、狙った目標にだけ正確に命中させる芸当も出来るようになります。