振り子実験 Advanced 2:ペンデュラム・ウェーブ – 調整編
ペンデュラム・ウェーブ装置を起動
装置が完成したら、糸の長さの調整を行います。
長ければ1時間ほどかかるので、途中で休憩が出来るようにしておきましょう。
1.振り子の長さを調節
まずは15個の振り子を、以下の長さになるように調節します。
この長さは「糸が装置に当たる位置~ナットの中心」までの距離です。
長さ(単位はcm)
34.3 33.0 31.8 30.6 29.5
28.6 27.5 26.5 25.7 24.8
24.0 23.2 22.5 21.7 21.1
これらの長さは、大体の目安です。
装置を正確に作動させるには、実際に動かして調整しなくてはいけません。
糸の長さを調整するときは、糸巻きを回してナットを大よその高さまで引っ張り上げてから、少しずつ回して微調整をします。
また、糸は糸巻きの根元に近い部分に巻き付くようにすることが重要です。
端の方に近いと、振り子が正しく振れなくなります。
2.実際に動かして微調整
糸の長さを目安に近づけたら、次はもっと正確な調整を行います。
振り子を6個ずつ、長い側から動かします。
12個を一度に調節するのはしんどいので、順番にやっていきましょう。
3.振り子を動かす方法
振り子を一斉に同じタイミングで動かすためには板を使います。
長さが振り子15個を同時に乗せることが出来ればよいので、サイズさえ十分ならどんなものでも構いません。
板を使って振り子を一斉に動かす方法は「斉藤メソッド」と呼ばれています。
振り子を動かすときは、板の上に振り子の重りを置いて、手前にゆっくりと引き上げます。
板を垂直にしつつ、糸をぴんと張り、糸の角度は20度ぐらいで、あまり高く上げないようにしましょう。
板を下ろせば、すべての振り子を同時に放せます。
押したり叩いたりするとバランスが崩れるので、優しく引き下ろす感覚で行きましょう。
4.振り子が動くパターン
動く振り子を糸が長い側から観察すると、以下のようなパターンでの振動が見られます。
1.ヘビのようなうねり
2.2個ずつ間を空けて、3ペアが一緒の周期で動く
3.1個ずつ間を空けて、2ペアが一緒の周期で動く
4.2と同じ動き
1から4までの動きが生じて1に戻るパターンが、5~10回再現されます。
バラバラに動いていたはずの振り子の動きが、一瞬だけ重なったり、ヘビのようなうねりが二つ生じたりする姿が繰り返されていきます。
5.振り子がずれるときは
2回目に1の蛇のような動きが再び始まる直前は、最初に振り子を離した時と同じように、一瞬だけ振り子の動きがすべて重なって一直線になります。
このときに、外れた動きをする振り子があるようなら、糸の長さを変えて周期を調節してやりましょう。
もしもスピードが速ければ、糸が短いということなので、糸巻きを緩めて長めに設定しなおします。
遅ければ、糸を巻き上げて短くします。
ミリ単位での調節が必要になるので、少しずつ慎重に調節しましょう。
最初の6個のパターンをそろえたら、1~2個ずつ増やして調整を行っていきます。
ペンデュラム・ウェーブの動き
15個の振り子の動きが整えば、以下のようなパターンを見ることが出来るはずです。
この動画では短い方の振り子が少しだけ早いかもしれません。
しかし、基本的なパターンは読み取れます。
ヘビのような動きが大きくなり、やがて崩れます。
次第に二つのうねりが生じ、二重らせんのように重なります。
2つのうねりを作る振り子の動きがそれぞれ一致します。
その後は反対向きに二重らせんが生じます。
それが崩れ、再び一つの蛇のようなうねりが生じます。
ただし、今度は最初とは動きが反対向きです。
全ての振り子の動きが完全に一致して直線が作られ、すべてが繰り返されます。
ペンデュラム・ウェーブの仕組み
「振り子の周期は振り子の長さだけに影響される」という「振り子の等時性」が、この装置の鍵です。
少しずつ長さが違うそれぞれの振り子は、隣と少しだけずれた周期で動きます。
これが波のような動きを作る源です。
時間が経つと振り子同士のズレが大きくなって波は崩れていき、別のパターンに変化します。
振り子の揺れが弱くなって小さくなっても、等時性によって周期は変わりません。
完璧に作っていれば、振り子は完全に止まるまでパターンを作り続けます。