実験結果:見つかった生き物たち

土の中にはどんな生物がいたのか

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約24時間の間に、小皿の中に落ちてきた生き物たちです。
土は畑の土を利用しました。
適度に湿って軟らかく、栄養が豊富な土はたくさんの生き物がいます。
一番良いのは、森や林の落ち葉の下の土です。

見つかった生き物の大半は、体長が1mm以下の小さなものばかりです。
中には2mm~1cmの物もいましたが、全体的には少数派です。

観察するために、USBに接続できるマイクロスコープを使用しました。
倍率は50~500倍で、値段は1200円程度です。
土壌生物の多くは白い体をしているので、観察するときには下に黒い紙を敷いておくとよく見えます。

トビムシ

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トビムシというのは耳慣れない名前ですが、実は土の中に生きている節足動物(昆虫やクモ、ダンゴムシのような生き物)の中では、最も数が多い生き物です。
森の中では、1平方㎥の地面を浅く掘った中に、数万匹ものトビムシが潜んでいます。

トビムシは節足動物門・六脚上綱・内顎綱・トビムシ目という分類に含まれる生き物です。
昆虫は六脚上綱・昆虫綱に属するので、クモやサソリよりは昆虫に近い種類です。
世界では3000種以上が発見されており、未発見の物も含めると相当な数がいると考えられています。

形はいろいろですが、一般的に体が細長く、6本の足、一対の長い触覚を持っています。
昆虫と似ていますが、腹にある節が、昆虫は11個、トビムシは6個と異なっています。
腹部には粘管という、独自の管を出して、体内の浸透圧を調節しているとみられています。

さらに、腹部先端には「跳躍器」という器官が生えてきます。
普段はこの器官を腹側に回してたたみ、腹についた保持器でホールドしています。
危機が迫ると、保持器から跳躍器がリリースされ、ばね仕掛けのように地面をたたいて大ジャンプして逃げることが出来ます。

乾燥が嫌いな生き物なので、基本的には土の下や湿った場所に棲んでいます。
土の中では、ダニと並んで節足動物最大勢力です。
大抵は雑食で、落ち葉や腐った木、菌や胞子、藻、花粉、線虫など、なんでも食べます。

ダニ

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ダニと聞くと血を吸うイメージや、植物にひっついて病気にさせるイメージがありますが、それは非常に多様なダニの中のごく一部です。

ダニはクモやサソリと同じクモ綱という分類に入っている生き物です。
ダニの仲間は世界中に分布し、高山、低地、乾燥地、湿地、土壌中、水中、家の中や生き物の体の中まで、ありとあらゆる場所におり、その種類は2万を超えるともいわれています。
食べる物も異なり、菌、植物、胞子や花粉、他の生き物、動物の血、脂など色々です。

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土の中にいるダニは、腐った植物の残骸を食べるササラダニの仲間が一般的です。
ササラダニの仲間はトビムシと並んで、地上で最も数が多い節足動物(昆虫やクモのような動物)とされています。

植物の残骸を食べて分解し、別の植物が利用できる状態にする「分解者」として、生態系において準用な役割を持っています。
体が軟らかいので、アリなどの他の生物のエサにもなるようです。

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この写真にも、複数種類のダニが写っています。
種類を見分けるのは少し難しいのですが、いかにもダニらしい物から、丸っこい足が付いた虫のような姿の物まで、かなりいろいろいることが分かります。

水にも強いようで、この写真を撮った際(実験開始から2日程度経過)にもまだ生きて泳ぎ回り、死んだ他の生き物を食べているような動作も見せているものもいました。

アリ

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世界には1万種以上、日本だけでも280種もいるとされています。
アリはハチから進化した種族で、スズメバチに近い系統に属します。

ムカデ

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地中に多くいるのはミミズのように細くて足が多い「ジムカデ」の仲間がメインです。
日本で多く見られる種類は最大でも9cm程度と比較的小さいのですが、それでも活発に他の生き物を襲って食べる強力な捕食者です。

ジムカデは本当に100本以上の足を持っており、地中にいるために目の数が少ないか、あるいは目が無いのが特徴となっています。

ただし、写真のムカデは目があり、足の数が少ないことから、オオムカデの子供であると思われます。
オオムカデは地上でよく見るタイプで、ムカデというと基本はこちらです。
体は小さいですが、ムカデとしての風格はすでに備えています。

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ムカデの「牙」は、実は体の一番前にある「脚」です。
この足の付け根には毒を分泌する腺があり、ムカデが咬みつく(実際は脚で突き刺す)と、傷口から毒が獲物の体に浸透します。
毒で獲物を殺すと、ムカデは脚で抱えたまま食べてしまいます。

ミミズ

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今回の実験で、土の中から出てきた最も大きな動物です。サイズは5cm以上あったのですが、土をスコップですくって振るっていても、こんな大きなものがいることには気づきませんでした。

ミミズは単純で下等な生物に見えますが、実は地中生活のために余計な物をそぎ落とす方向に高度な進化を遂げています。
ミミズが食べる物は土で、底に含まれている微生物や有機物を分解して栄養にしています。
糞は植物が育ちやすい土を作る役に立ち、農業でも重宝される生き物です。

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体は軟らかいのですが、体液に圧力をかけて固くして土を掘っていきます。
体には多数の頑丈な毛が生え、土を掘るのに一役買っています。
傷が出来ても細胞を血管に乗せて傷に運び、短期間で修復する能力まで持ちます。
単純に見えて、とても高度な能力をいろいろと持っているということです。

これら以外にも、土の中にはムカデと同じ多足類に入るヤスデ、ダンゴムシやワラジムシなどが棲んでいます。
今回見つかった物と同じぐらいのサイズの生き物には、尾の無いサソリのようなハサミムシ、トビムシと同じ内顎綱のコムシ、カマアシムシの仲間も見つかります。

他に見つかった生き物たち(名前不明)

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昆虫採集と違って、土壌生物採集は季節に関係なく生き物が採れるので、年中楽しむことが出来ます。
場所ごとにどんな生き物が棲んでいるのかを観察してみましょう。

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