身近な物で意外な色:染物の科学
「織る」ことと「染める」こと
私たちが来ている服を作る繊維は、元々は色がついていません。
布や繊維を染めることは、織ることと合わせて「染織」と言います。
その歴史は古く、織ることは1万年前から、染めることは5000年前から存在していたと考えられています。
染めるのは絵の具で絵を描くように色を付けるのではなく、繊維と色の分子を結合させる化学反応によってなされます。
それゆえ、原料にした物の見た目からだけでは想像もつかないような色を出すことも可能です。
では、染めによってどのような色を出せるのかを見ていきましょう。
染物の歴史
何故、人は繊維を染めるのか? 私たちが身に着ける服を作る繊維は、植物の繊維、動物の毛、昆虫の糸などが原料です。そのまま布や紐にしても使えないことはありませんが、大抵は色がついていないままです。…
玉ねぎ染めに挑戦
簡単かつ鮮烈な玉ねぎ染め 身近にある植物は、大抵はなんでも染物の材料として使うことが出来ます。中でも強烈な色が出るのが玉ねぎの皮です。玉ねぎの外側の茶色い皮は、とてもきれいな色を出すことが出来…
銅媒染剤と鉄媒染剤
他の種類の媒染剤を作ってみる 玉ねぎ染めで媒染剤として使ったミョウバン(焼きミョウバン)は、「硫酸カリウムアルミニウム十二水和物」という物質の結晶です。カリウムやナトリウムのイオンは媒染には役…
色々な物で染めてみよう:果物編
食べ物は何でも染物の材料に 玉ねぎの皮以外にも、食べ物ならほとんどが染めの材料になります。材料は玉ねぎの皮の時と同じように、布と同じ重さだけ使用しました。重さは「乾燥重量」で、乾かして水分をなく…
色々な物で染めてみよう:葉・茎・根編
色がないように見えても…… 植物の中で一番鮮やかなのは花や果実ですが、目立つ部分ではなく、茎や葉、皮などの目立たない部分の方が多く使われます。鮮やかな色など出せなさそうに見えますが、これらの部分こ…
柄・模様を付ける染め方
染めは色を付けるのみにあらず 「染め」はただ単に色を付けるだけでなく、模様を付ける技術も含まれています。色が付くだけでも十分にきれいで実用性があるのですが、さらなる意味を付け加える時にも模様を…