玉ねぎ染めに挑戦
簡単かつ鮮烈な玉ねぎ染め
身近にある植物は、大抵はなんでも染物の材料として使うことが出来ます。
中でも強烈な色が出るのが玉ねぎの皮です。
玉ねぎの外側の茶色い皮は、とてもきれいな色を出すことが出来ます。
玉ねぎの皮といえば、薄くて茶色でいかにも地味な雰囲気をしており、どうやっても染物などできそうにありませんが、見た目と出せる色が必ずしも一致しないのが染物の面白いところです。
用意する物
・ハンカチ(又はさらし) ・ステンレス製の鍋
・玉ねぎの皮 ・水きりネット
・ステンレス製のボウル ・焼きミョウバン
染めに使う布
染めるために使う布は、綿や絹といった天然繊維の方が良く染まります。
化学繊維は科学的に安定して劣化にも強いのですが、その分だけ染料の分子が結合しにくく、染まりにくい傾向にあります。
染める布は、色が付きやすいように白い物を用意しましょう。
着古したシャツやその切れ端、要らないハンカチなどがお勧めです。
新品の布を使用するときは、まずはぬるま湯でもみ洗いしたり、一旦洗濯したりして、糊を落としましょう。
染めに使う鍋
染めに使う鍋はステンレス製の物を使うのが基本です。
アルミや銅、鉄の鍋は、水を入れるとそれぞれの金属イオンが出てきます。
ステンレス以外の鍋を使うと、染めの段階で色素が媒染され、色が変わってしまいます。
ステンレスならそうしたイオンが出ないので、色の変化が防げます。
ボウル
ボウルは媒染のための物です。
こちらも鍋と同様にステンレス製の物を使いましょう。
また、ミョウバンはそれほど問題がない物の、銅は人体に悪影響を与えます。
媒染に使った食器は、決して食事や料理には使用してはいけません。
面倒なら鍋をそのまま流用しても大丈夫ですが、使う媒染剤がミョウバンでない時は、やはり料理には使ってはいけません。
他の物で染める実験に使う予定なら、使用の度にきれいに洗いましょう。
1.玉ねぎの皮を集める
使うのは外側の茶色で乾いた部分です。
料理をする際のごみを有効利用しましょう。
染物をする際には、染める布と同じ重さの材料を用意します。
用意が出来たら、洗濯や水切り用のネットに入れます。
水きりネットは皮が散らばらせずに後始末を楽にするための物です。
2.成分を抽出&染める
鍋に半分ぐらいの水を入れて、皮を放り込んで沸騰させます。
沸騰したら、大体10分程度で火を止め、皮を取り出します。
水を少し加えて八分目まで入れ、布を放り込みます。
布は事前にぬらしておくようにしましょう。
また同じように沸騰させ、したら弱火のまま10分間待ちます。
その後は、火を止めて1時間ぐらい放置しておきます。
3.媒染剤を準備
染めている間に媒染剤を準備します。
作り方は水100mlに対し、ミョウバン5gの割合で混ぜるだけです。
これを、布全体がつかる程度の量まで用意します。
4.媒染作業
布が染め終わると、一旦水ですすぎ、良く絞ってきれいにします。
すすぐいだ後は広げて、媒染剤に1時間浸します。
取り出して余分な液を絞り、乾かせば完成です。
「染める」→「媒染」の工程を何度も繰り返せば、色は濃く強くなっていきます。
玉ねぎ染めの結果
左側の布が媒染をしていない物で、右側がミョウバンで媒染した物です。
玉ねぎの皮だけではほとんど色がついていませんが、ミョウバンで媒染すれば驚くような黄色に染まります。
染めに「ムラ」が出ているのは、液の量が少なくて布のつかり方が均一であったり、鍋が小さくてしわが寄ってしまったことが原因のようです。
よりきれいにするためには、大き目の鍋を用意して、染め液をたっぷりと作り、布をなるべく広げて染めるようにしましょう。