色々な物で染めてみよう:果物編

食べ物は何でも染物の材料に

玉ねぎの皮以外にも、食べ物ならほとんどが染めの材料になります。
材料は玉ねぎの皮の時と同じように、布と同じ重さだけ使用しました。
重さは「乾燥重量」で、乾かして水分をなくした状態での重さです。
生のままで水が含まれていると、色が薄くなってしまいます。

色素を抽出する時間は30分で、染めるのにも30分、媒染に30分という形です。
もっと濃い色が欲しい場合は、材料の量を増やして布の3倍程度にし、抽出と染めの時間を1時間位以上にしましょう。

写真は、左上:媒染無し、右上:ミョウバン、左下:銅(硫酸銅)、右下:鉄(硫酸鉄)となっています。

ミカン

ミカン

ミカンで染めると、写真のような色に仕上がります。
果汁ではほとんど染まらないので、皮を煮出して色素を抽出しました。
本当のミカン色にする場合は、葉や枝から染料を抽出する必要があります。

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使用する場合は皮を干して水分を飛ばします。
カビが生えないように、新聞紙などの上に広げ、風通しの良い場所に置きましょう。
表面が茶色に変わると準備完了です。

ちなみに、ミカンの皮を乾かしたものは「陳皮」と呼ばれ、漢方薬として使われるほか、七味唐辛子の素材の一つにもなっています。

ブドウ

ブドウ

ブドウの紫はシミになりやすいことからわかるように、布を良い具合に染めてくれます。
ただし、繊維と結合する力はあまり強くないようで、玉ねぎ染めなどと比べるとかなり色落ちしやすい傾向にあります。

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ブドウの果汁には色がついておらず、染めるのはあくまで皮に含まれている色素です。
そのため、色素を取り出す際に実ごとつぶすと、果汁によって色が薄くなってしまいます。
もったいないので中身は食べて、皮だけつぶして煮出し、色素を抽出するようにしましょう。

グレープジュースや赤ワインを使うときは、煮詰めて水分を飛ばし、濃縮すると染める効果がアップします。

ザクロ

ザクロ

ザクロは西アジア原産の、赤く大きな実がなる植物です。
実の中の食べられる部分は、種子一つ一つを覆う種衣(仮種皮)と呼ばれており、熟すと実が裂けて種衣に包まれた種をまき散らします。

普通に食べるだけでなく、果汁を絞って砂糖を加えた「グレナデン・シロップ」としても使われます。

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使ったのは種衣からとった果汁ですが、染料としては皮の方が多く使われます。
皮を煮出した液で染めてからミョウバンで媒染すると、お茶のような緑がかかった茶色になります。

柿渋

柿渋

渋柿に含まれる「渋」を利用した「渋染め」は、古くから日本人にとっては無くてはならない物でした。
渋に含まれているタンニンは植物が虫や病原菌から身を守るために作る成分なので、渋染めした布は虫に食われたり腐ったりしにくくなります。

また、渋染めした繊維は水を弾くので、防腐の性質と合わせて釣り糸や漁網にも使われました。

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タンニンは水の中に溶けるたんぱく質と結合する性質があり、現代でも日本酒から米のたんぱく質を除いて透明にさせるために、漉し布として渋染めした布が使われています。

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写真の物は干し柿に使った残りの皮を使ったものですが、本来は熟していない青柿を丸ごと絞って渋を取り出し、何年も発酵・熟成させて使います。
時間が経つと塗られたタンニンは結合収縮し、使い込むごとに濃く味わいのある色に変化していきます。

柿渋はかなり強烈な臭いを発し、干し柿の皮を煮出すだけでも相当な悪臭が出ます。

ドングリ

ドングリ

普通は食べることが無いドングリですが、それは大量に含まれている渋が原因です。
ドングリの渋はかなり多く、煮た水が泡立ち、さらしを染めて乾かすと、キャンバスのように固くなります。

渋が多いということは、渋染めをすればそれだけ濃い色が付くということで、かなりはっきりとした色合いになります。

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煮出すときは、一旦皮ごと挽き砕いてから煮ると、効率よく煮出すことが出来ます。
食べるために殻だけ取りたいときは、フライパンで炒ってやると殻が割れて取りやすくなります。
ただし、食べられるようになるまで渋を抜くには、かなりの手間がかかります。

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